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「コラムの花道」×町山智浩(「ストリーム」TBSラジオ、月〜金13:00-15:30)

○「コラムの花道」×町山智浩(「ストリーム」TBSラジオ、月〜金13:00-15:30)

「ストリーム」(TBSラジオ、月〜金13:00-15:30)内の名物コーナー「コラムの花道」は、「今日のコラムニスト」が日替わりで担当するラジオ・コラム。ポッドキャスティングでも配信されており、水道橋博士の功もあってか過去の放送が見事にアーカイヴ化されている。これは、画期的なことだと思う。

このコーナーで私のお気に入りは、映画評論家町山智浩が担当する火曜日。日本未公開映画の情報やアメリカの文化・社会について、軽妙だが他では聴けない独自のアティチュードの感じられるトークが展開される。最近チェックを怠っていたので2か月分ほど溜めてしまっていた。なかでも面白かったものをいくつかご紹介する:

○「コラムの花道」×町山智浩(「ストリーム」TBSラジオ、2007年11月13日(火)内)

11/13(火)コラムの花道×町山智浩をダウンロード

実際に町山節を堪能していただきたいので、説明は最小限にとどめる。以下同様。

この日の話題は映画『キング・コーン』(Aaron Woolf, King Corn, 2007)について。

King Corn(公式サイト、英語)

イェール大学卒の若者ふたりがあるきっかけで1エイカーの畑でコーンを栽培し、それをきっかけにアメリカにおけるコーンの生産・流通などの秘密を明かしてゆく映画。

町山の語りに起因するのか映画の内容そのものに起因するのか判らないが、1エイカーの畑を端緒に、アメリカの農業政策、グローバル経済へと話が展開し、最後は主演の若者の髪の毛に帰ってくるという絶妙な構成だった。

私にとって、町山の「コラムの花道」本年度No.1。

○「コラムの花道」×町山智浩(「ストリーム」TBSラジオ、2007年11月20日(火)内)

11/20(火)コラムの花道×町山智浩をダウンロード

この日は、スヌーピーの生みの親チャールズ・シュルツの伝記、David Michaelis, Schulz and Peanuts: A Biography (Harpercollins, 2007)が話題に上った。

シュルツの『ピーナッツ』に登場するキャラクターやエピソードの背後には、それに対応するシュルツの私生活における事実が存在するという話。スヌーピー、チャーリー・ブラウン、ルーシー、シュロウダーなどのキャラクターには実在のモデルが存在し、ベートーベンのトルソーのルーティーン・ジョーク、漫画に登場する大人が発する意味不明な声なども、シュルツの個人史に由来しているとのこと。

件の伝記は大部で、『ピーナッツ』からふんだんに漫画を引用し、個々のエピソードに対応する事実を紹介しているというから興味深い。おもしろそうなので、とりあえず伝記を注文してみた。

ちなみに、『ピーナッツ』の日本語訳は谷川俊太郎だったとは。コラムの中で紹介されていたが、ビートニクスや実存主義の流行によってアメリカで「世界最年少の実存主義者」としてチャーリー・ブラウンがカルチャー・ヒーロー化したというのが、それが『ピーナッツ』と谷川を結びつけたのだろうか?

○「コラムの花道」×町山智浩(「ストリーム」TBSラジオ、2007年11月27日(火)内)

11/27(火)コラムの花道×町山智浩をダウンロード

「買い物は悪魔の誘惑だ」と説く牧師のビリー尊師(Reverend Billy)率いるThe Church of Stop Shopping(買い物やめろ教会)が、スターバックスの店先ではカフェ・チェーン批判を展開し、ディズニー・ランドではミッキーを磔にして練り歩き、ウォルマートの本社には聖水をふりまくなどのゲリラ・パフォーマンスを繰り広げるという話を紹介。

素人の乱の人たち、参考にしてはいかがだろうか? 

アーメン!

Reverend Billy and the Church of Stop Shopping(公式サイト、英語)

○Rob VanAlkemade, What Would Jesus Buy?, 2007 (公式サイト、英語)

○ ▲ ◇ ×

ラジオで流れる番組宣伝でもフィーチャーされているが、町山が実に愉しそうに話す下ネタ(とりわけゲイのネタがお好きの模様)が、町山の「コラムの花道」の売りになっている。私はその下ネタを実に愉しそうに聴いている。

しかし、彼のコラムの面白さはそれだけではない。ご陽気な下ネタの低層には、グローバリズムやネオ・リベラリズムに対する批判、弱者やマイノリティーの抑圧に対する批判が流れている。そうした一聴すると堅苦しい姿勢が、明るい語り口と愉しい下ネタでマイルドに消化しやすく調理されているところが町山のスゴさ。

また、一回一回の話の構成が実に見事で、並なみならぬインテリジェンスを感じる。

様ざまな関心の人たちが、それぞれ自分好みの位相で愉しめる稀有なラジオ・コラムだと思う。

ちなみに私としては、町山のコラムの端々で町山×勝谷戦争の燠火が燻っているのが気になる。勝谷誠彦は我関せず焉の態度を通しているが、町山=火曜日、勝谷=水曜日と、せっかく隣の曜日なのだから、もう一度炎があがることを期待している。私は町山派だけれども。

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