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小林信彦「本音を申せば」第483回、『週刊文春』2007年11月29日号

○小林信彦「本音を申せば」第483回、『週刊文春』2007年11月29日号

友人がこのブログの存在に気づいたらしい。

私は、直接の知り合いにはこのブログのことを教えていない。知り合いのアクセス無しでどのくらいの人に読んで頂けるか試したかったからだ。当然、その友人にも教えていなかったのだが、ハンドル・ネームと、「誠のサイキック青年団」の「しても友達」論についての件と、私独特の漢字の選び方(「解る/判る」の使い分けや、「該る」など)と、何かの機会に一度か二度ラジオが好きだと軽く話したこととが災いしたようだ。「誰にも教えないように。知り合いのアクセス無しで……」と一応は釘を刺しておいたが、どうなることやら。

「あんなにラジオばっかり聴いて、ヒマなんだね」と冷やかされたが、とんでもない。ヒマではない。むしろ忙しい。ラジオへの愛情、というよりはむしろ執着に囚われて、忙しい時間の合間をぬって必死で聴いているのである。そして、書けども書けども一銭にもならないこのブログを書くために、貴重な時間を甘美にも空費し続けている。

ところで、今週の『週刊文春』の小林信彦「本音を申せば」は、久しぶりにラジオが話題に上った。おそらく一ヶ月ぶりぐらい、あるいはそれ以上ではないだろうか。「伊集院光 日曜日の秘密基地」の「秘密基地VIPルーム」に徳光一夫がゲスト出演した回で伊集院と徳光が交わした「40歳」についての話だ。

とはいえ、ラジオの話はほんの枕で、それに続けて、喜劇人にとっての転機としての「40歳」という切り口で森繁久彌、渥美清、伊東史朗についての話題が展開され、昭和喜劇人小列伝という趣だった。

それはそれで非常に面白かったが、一番印象に残ったのはむしろ「枕」のほうの一節:

仕方がないので、花梨酒を少し飲み、ベッドで伊集院光のTBSの番組をきいていたら、四十になった、と言っていた。

ラジオ馬鹿の私にとっては夢のような状況である。読んだ途端、口の中に甘酸っぱい味が広がった。

日曜日の番組だから、私にだってベッドで花梨酒を飲みつつラジオを聴取くことは可能だ。しかし私の場合、たとえ日曜日であっても昼に酒をのむというモードにスイッチが切り替わらない。普段、「花梨酒なんて酒のうちに入るかい!」と不当に過小評価している花梨酒も、日曜日の昼にはやっぱり酒、むしろ酒なのだ。

にもかかわらず、日曜昼のラジオと花梨酒の圧倒的な魅力には抗いがたい。日本酒やビールではなく花梨酒というのが絶妙である。私の罪悪感の砦は陥落寸前である。

まぁ、何にもまして、ラジオについて書くことで収入が得られるという状況に対する憧憬で、忙しいなか必死でラジオを聴いて一銭にもならないブログを書いている私の頭は、くらくらである——作家さんは作家さんで色いろ大変なのだろうと重じゅう解った上で。

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