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2007年10月

伊集院光 日曜日の秘密基地 お店の不思議徹底解明スペシャル(TBSラジオ、2007年10月21日(日)13:00-17:00)

○「伊集院光 日曜日の秘密基地 お店の不思議徹底解明スペシャル」(TBSラジオ、2007年10月21日(日)13:00-17:00)

先週の放送について今さら書くことにした。

どこかで聞いたことのあるような企画だが、ある業種一般について解明するというよりは、特定の店や場所にフォーカスをあてたローカルなアプローチがラジオ的で面白かった。

こういう特番のときのアシスタントは山内あゆアナウンサーがアシスタントのほうが良いような気がする。「ケ」と「ハレ」の区別で言えば、「ケ」の回は竹内香苗アナ、「ハレ」の回は山内アナ長岡杏子アナはどっちもできるが、やや「ケ」の回向きという感じか。

鯉沼ミシン店(埼玉県さいたま市大宮区、国道17号線沿い)
担当:キングオブコメディ今野浩喜
不思議:
鯉沼ミシン店は、周囲の街並とは趣を異にする、一見廃屋かと見まごうレトロな外観だが、経営は成り立っているのか?

真相:
基本的には修理専門で、希望する人にはパーツから組んで販売することもある。古いミシンはメーカーを問わずどのようなものでも修理できるため、一定の需要がある。店鋪は私有物件で年金収入もあるため、経済的には困らない。

店主の鯉沼氏の声を聴いたとたんに思わず笑ってしまった。聴けば聴くほど見に行きたい店だ。

iマート(東京都板橋区中板橋
担当:ほたるゲンジ桐畑トール

不思議:
中板橋の、客の絶えない大繁盛の激安店が、休業がちなのは何故か?

どの程度激安かというと:

おでんのつゆ:\25
缶ジュース:\40
カップラーメン:\30
ブレンディ 750ml:\100
醤油 1.8l:\105
卵 1パック:\105

真相:
本業の食品卸で元が取れており休みがちでも問題がなく、半端に余った在庫を商店で小売りに回しているため激安価格が実現できるのだとか。月10日程度の営業で、雨天または雨が降りそうな曇天の場合は休業。

東京都千代田区神田神保町1丁目42(現在は定食屋)
担当:サードメン高橋卓也
不思議:
好立地にもかかわらず、入った店が開店閉店を繰り返して定着しないが、店鋪の入れ代わりが激しいのは何故か?

真相:
出版社の汐留への移転によるオフィス街の閑散化(2003年問題)、白山通りを挟んで反対側と当該店鋪のある側では人通りがまるで異なり、なおかつ神保町周辺は安くて美味しいものが食べられる名店が林立する激選区であるため。当該番地の短命店鋪のひとつが偶然、番組構成作家の父親が経営・作家本人が店長を務めるカフェだったということで真相が明らかに。

「まんてん」「いもや」などお馴染みの店も登場し、知っている場所がラジオに出て嬉しい。戦前まで遡る、神保町ファンにはたまらない街の叙事詩となった。そのまま『東京人』や『散歩の達人』誌上で発表してもおかしくないような話。

ところで
サンドウィッチマン富沢たけしは、世界陸上スペシャルの時間不足で、はるばる静岡まで出かけて行って取ったインタヴューがボツになったことについての愚痴をブログに書いたことから番組に出入り禁止になったのだとか。この「出入り禁止」もどこまで本当なのかは判らないが、ちょっと気の毒。サンドウィッチマン富沢のブログも見てみたが、出入り禁止になるほどの愚痴ではないと私は感じた。

○【続・狼は生きろ、ブタは死ね…!】サンドウィッチマン富沢ブログ、2007年8月26日付

「野球仮面」の前例もあるので、一定期間をおいた後に「負けたらお蔵 インタヴュー天国と地獄」のコーナーに「インタヴュー仮面」として復活したらいいのではないだろうか。TBSラジオの可聴エリアの赤坂から遠いところ(外房・北関東など)に必ず急に行かされる、とかで。

ついでに、「インタヴュー天国と地獄」で田代32が勝つとちょっと嬉しいのはなぜだろう?

※おまけ(2008年2月12日加筆)

この日の放送に登場したお店を訪ねてみました:

追加:伊集院光 日曜日の秘密基地 お店の不思議徹底解明スペシャル(TBSラジオ、2007年10月21日(日)13:00-17:00)

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DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU(J-WAVE、2007年10月27日(土)17:00-17:54)

○「DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU」(J-WAVE、2007年10月27日(土)17:00-17:54)

「DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU」(J-WAVE、土17:00-17:54)を聴いた。聴くに至った経緯は、過去のエントリーでも触れた。ちなみに、普段は土曜日のこの時間にラジオを聴けるときは、大抵「Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI"」(TOKYO FM、土17:00-17:50)を聴いているので、この番組は初めて。

MCは山田五郎と中川翔子で、何かひとつの話題について掘り下げていく情報番組のようだ。この日は、国立天文台準教授で理学博士の渡部潤一がゲスト。しょこたんは渡部ファンおよび木星ファンなのだとか。山田に「木星木星うるさい」と突っ込まれていた。

木星の大赤斑が白くなってきているとか、また新しい赤斑ができたとか面白い話がいくつも飛び出した。また我われが生きている宇宙とは別の宇宙が存在する可能性についての仮説、multiverse論(多元宇宙論)の話は特に興味深かった。来週も、渡部準教授が引き続きゲストなのだとか。

最近、「Suntory Saturday Waiting Bar "AVANTI"」(TOKYO FM、土17:00-17:50)のパワー・ダウンが顕著だと感じているのは私だけだろうか。架空のバーの常連客である「教授」が、バーテンダーのスタン(最近出た番組のカクテル・ブックによるとフルネームは「スタン・マーロウ」だとか)や常連客とやり取りしつつ、他のお客の世間話を聴くという設定だが、最近、設定いじりや、番組発の本やCDについての話題の頻出など、設定そのものに関する自己言及性が高まってきている気がする。この番組の面白さの大部分は設定に負っていると思うが、この設定はあくまでも空気のようなものであってほしいので、設定が前に出てくる最近の傾向は、個人的には好きでない。

それにひきかえ、「DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU」(J-WAVE、土17:00-17:54)には勢いがある感じがする。何を置いても、山田五郎と中川翔子という組み合わせは、ラジオ・ファンにとって単純に魅力的だと思う。このふたり組みだと、年長の山田がメインで若いしょこたんがアシスタントかと思いきや、敢えて言えば、山田がゴール・キーパーで、しょこたんがリベロという感じ。このような布陣は、ありそうでなかったような気がする。二人のキャラクターを考えると絶妙の役割分担だと思う。

とはいえ「AVANTI」に愛着がなくはないので何となく惰性で聴き続けていたが、私と同じような「惰性AVANTI派」の方は、一度この時間にJ-WAVEを聴いてみることをお勧めする。

この日は台風が接近している影響で、雨風が強く、帰りに買い物を済ませるために途中でスーパーに泣く泣く入り、番組の後半は店内に電波が届かず聴くことができなかった。また来週のお愉しみだ。このまま、「DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU」(J-WAVE、土17:00-17:54)にシフトするかどうかはまだ未定。

ちなみに、鍋の季節がやって来たということで、水菜が安かったので買って帰った。その日の夕飯は水菜と豚肉の天ぷらにした。豚肉を天ぷらにする、と聞くとやや意外かもしれないが、これは驚くほど美味しいのでお試しあれ。レシピは以下の通り:

材料
水菜: 適量
豚肉: 適量
紅生姜:適量
薄力粉:適量

作り方
水菜と豚肉を半々ぐらい、味のアクセントのために紅生姜を適量、薄めの衣で揚げる。以上。

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『ラジオ番組表 2007秋』(三才ブックス、2007年)

○『ラジオ番組表 2007秋』(三才ブックス、2007年)

10月27日は『ラジオ番組表 2007秋』(三才ブックス、2007年)の発売日。

当日、午後にお茶の水でちょっとした打ち合わせがあったので、帰りに三省堂に同書を買いに行ったが見当たらず、東京堂で購入。ちなみに、知っている人は知っている話だが、秋葉原のラジオセンター(ガード下のパーツ・ショップ群)の万世書房では、発売日よりも少し早く手に入る。

年に2回のお愉しみということで、我慢できずに帰りの電車の中で読み始めてしまった。

ご存知ない人のために説明すると、『ラジオ番組表 2007秋』(三才ブックス、2007年)とは、日本全国のAM・FM・短波全104局のタイムテーブルが一冊にまとめられた、ラジオ馬鹿必携のバイブル。今回の表紙は「しょこたん」こと中川翔子。特集は「アキバ系ラジオ」。

内容的には、基本的にはいつも通り、改編情報・タイムテーブルなどなど。パーソナリティー名で番組を見つけることのできるインデックスは相変わらず便利。とはいえ、特に批評の対象になるようなことでもないので、読み物の内容を紹介。

巻頭は、「音楽ガッタスのGuts10ガッタス!!」(CBCラジオ、月23:30-24:00)の吉澤ひとみ・里田まいのインタヴュー。

巻末は「アキバ系ラジオ」特集で、次の人たちのインタヴュー。内訳は:

中川翔子
 「KYOCERA近未来story 中川翔子のG(ギザ)サイエンス!」(ニッポン放送、土21:30-22:00)
林原めぐみ
 「林原めぐみの Tokyo Boogie Night」(TBSラジオ、日24:00-24:30)
よゐこ
 「よゐこのアキパラ」(ラジオ日本、火23:30-24:30)
FANTASISTA
 「FANTA☆RADIO Welina」(ラジオNIKKKEI第1、水18:00-18:15)

その他「全国のアキバ系名番組!」と銘打って、各番組の簡単な紹介で「島本和彦のマンガチックにいこう!」(STVラジオ、土10:30ー11:00)「妄想♥ポンバシ系」(ラジオ大阪、金22:30-23:30)など13番組の紹介と、吉田尚記アナウンサー(ニッポン放送)による「アキバ系とラジオの相乗効果」と題するコメント。

電車の中でちょうど、表紙のしょこたんが出ている「DoCoMo TOKYO REMIX ZOKU」(J-WAVE、土17:00-17:54)の放送中と判り、初めて聴いてみた。この話は改めて。

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立川談志・太田光 今夜はふたりで(TBSラジオ、2007年10月20日(土)23:30-24:00)

○「立川談志・太田光 今夜はふたりで」(TBSラジオ、2007年10月20日(土)23:30-24:00)

一度は聴いてみようと思っていたが、今回初めて「立川談志・太田光 今夜はふたりで」(TBSラジオ、土23:30-24:00)を聴いてみた。たぶん第三回目の放送だと思う。『笑う超人 立川談志×太田光』というDVDの制作が、この番組へつながったのだとか。

TBSラジオの番組ホームページでは、番組の内容を「談志・円鏡歌謡合戦」(ニッポン放送)に準えつつ説明している。その一節に:

昭和40年代に『談志・円鏡歌謡合戦』という伝説のラジオ番組があった。 談志は円鏡を先生と呼び、ナンセンスな質問をぶつけていく。 それに対し、瞬時に切り返していく円鏡。

とある。確かに、「立川談志・太田光 今夜はふたりで」の中で談志は太田を「先生」と呼んでいるし、番組の内容も似ている。ただし、この回はどちらかと言えば太田のほうが質問をぶつける役にまわることが多かった。

私は当然、「談志・円鏡歌謡合戦」を聴いたことはないが、今日まで語り種になっているということは、面白い番組で人気もあったのだろう。ちなみに、『立川談志 ひとり会落語 CD全集 第二期』BOXセットの特典CDで「談志・円鏡歌謡合戦」の「プレミアム・ダイジェスト」をで聴くことができるそうだ。

それでは、当の「立川談志・太田光 今夜はふたりで」はどうだろうか?

「お前はお笑いを解っていない」という誹りを覚悟して敢て言おう——面白くなかった。

私は談志も太田もどちらも好きだ。「談志の遺言」(TBSラジオ、2005年10月ー2006年3月、木21:00-22:00、および2006年10月-2007年3月、火21:00-22:00)も好きだったし、「爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ、火25:00ー27:00)も好きだ。もし自分が中学生だったら、「自分が好きな天才ふたりが組んでいるんだから面白いに決まっている。笑えなかったのは、自分に問題があるからだ。ふたりは絶対に面白いはず」と自分を騙しにかかったかもしれない。しかし、厳然たる事実として、一度も笑えなかったのだ。

厳密には一回だいけ笑った。本編でなく、オープニングで流れる談志と太田の声をサンプリングしたものを使ったトラックのなかの、

娑婆で生きてるとねぇ、死ぬまでにエチオピアへ行きたいとつくづく思う。

という談志の台詞のみだ。意外性に虚を衝かれた。

そこで、番組がどうして面白くなかったのか? 私なりに考えてみた。

まず、太田が頑張り過ぎている。これがいけない。尊敬する談志といっしょに番組を担当することになった意気込みでアドレナリンがほとばしるせいなのか、声の調子が勢い余る感じで、発話と発話の間を詰め過ぎている感じがする。聴いているコッチを力んでしまい、せわしない。トンガってはいるものの熟練している談志と噛みあわない結果になっているような気がする。

次に、ふたりのトーンが合っていない。これもいけない。そもそも内容のノンセンスさは織り込み済み、むしろそれを愉しむ番組だ。論理的な整合性のある会話が展開される訳ではないからこそ、ふたりの語りのトーンが揃っていないと、内容も形式もバラバラな印象が強く残る。形式が整っていて自然であれば、そのぶん内容の不自然さが際立つ。いかにも普通に喋っている感じでトンチンカンなことを言う——それが笑いを誘う結果になるのではないか。太田の口調が、いかにも「これからノンセンスなことを言いますよ」といった風で、意外性の妙がない。

最後に、これまでのTBSラジオの談志の番組のナレイションは外山惠理アナだったが、山中秀樹アナに代わった。これもいけない。山中アナが悪いと言うのではない。「こちら山中デスクです」(TBSラジオ、月20:00-22:00)はけっこう面白いと思う。しかし、この番組には合っていない。談志と外山アナという組み合わせが良かったのだ。文化放送の番組でアシスタントを務めていた吉田涙子アナも良かったが、気風が良すぎるというか、すべてお見通し感が出過ぎているというか……。談志の毒と、外山アナの邪気の無さ、という組み合わせが絶妙だったのだ。まぁ、これは趣味の問題か。

ついでに言えば、「談志の遺言」の場合は、投稿ネタのコーナーがあったり、談志が選んだ古い曲がかかったりと、メリハリがあったのも飽きずに聴けた理由かもしれない。

繰り返しになるが、「立川談志・太田光 今夜はふたりで」は一度は聴いてみようと思っていた。

そして今回、一度は聴いた、ということで……。

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きらり10代(NHK第一、日20:10-21:55)

○「きらり10代!」(NHK第一、日20:10-21:55)

この番組は、「はまじゅん」こと浜口順子、「てっちぃ」こと高山哲哉(NHKアナウンサー)がMCを務める、10代向けのバラエティ番組。私はそれほどきらりとしていないし、もう10代でもないので、それほど集中して聴いている訳ではない。何となくラジオをつけたときにやっていたら聴き続けるという感じで聴いている。従って、内容を具に記憶している訳ではないが、「あこがれ仕事百科」という10代向けの職業紹介(書籍化もされた)、テーマに沿った音楽のリクエスト、悩み相談などのコーナーなどがある。リスナーを「きらリスナー」と呼び、番組に登録するシステムもあるようだ。

同じく10代向けのラジオ番組であるTOKYO FMの「SCHOOL OF LOCK!」(TOKYO FM、月-金22:00-24:00)とのコラボレイション企画など、NHKらしからぬ試みも行ったのだとか(2007年9月9日(土)放送)。

○NHKと「SCHOOL OF LOCK!」がコラボレーション?!- TOKYO FM 広報ハヤシが行く

この番組は、原則的には10代向けではあるが、10代の頃を懐かしみノスタルジックな気持ちで聴いている10代以外のリスナーも少なくないようだ。では、私がノスタルジックな気持ちで聴いているかといえば、そんなことはない。さすがに、番組に時どき出てくる「期末テスト」などの言葉には懐かしさを感じるが、10代の頃の自分を想い出すと、この番組に投稿したり声で登場したりする10代の人たちに比べるとはるかにヒネクレていた。敢えて言うならば、私が10代だったらこの番組を聴いていたとは到底思えない。この番組のリスナーの10代の姿に、10代の頃の自分の姿が重ならないのだ。

従って、そこにはノスタルジーは存在しない。自分にとってリアリティーのない世界をぼんやりと受け入れて、番組の音声が対流する自室のなかを気持ちがクラゲのように漂う感じが不思議と心地良い。そこにあるのはノスタルジーというよりむしろファンタジーだ。そういう、いわく言い難い浮遊の愉悦が、私がこの番組を聴いてしまう理由のひとつだ。

いわく言い難い理由だけではない。はっきりとわかるこの番組の魅力もある。「はまじゅん」がイイのだ。浜口の話は、聴いていてとても好感がもてる。邪気もなく嘘もなく、自然体でウマい。また、どこで聴いたか忘れたが、浜口はもともと構成作家志望だったと言っていたような気がする。そういうアイドルらしからぬところも彼女を魅力ある喋り手にしているのかもしれない。

他方、高山アナについては、最初は、コレといった印象もなかった。テレビで活躍している人のようだが、テレビをあまり見ないので、私が彼に接するのはこの番組を通じてのみで、声でしか知らなかった。もっとオジサン(40代ぐらい)なのかと思っていたが、想像以上に若くて(1973年生まれ)正直なところ驚いた。最初は「若いくせにオッサンかよ」と思っていたが、よくよく考えてみると、自然体で10代の目線に近いところで語るはまじゅんに対して、番組の中の高山アナは10代に語りかける「大人」の役割を果たしているように思える。つまり、はまじゅんが「お姉さん」、高山アナが「おじさん」なのだ。こういう番組の必要条件である「大人」役を、彼が満たしているのだと思う。私の勝手な思い込みかも知れないけれども。

さらに先日、高山アナに対する印象を一変させるものを見た。高山アナは、『ラジオライフ』2007年11月号のインタヴューに応えていた(紙幣の偽造法を紹介したことで有名な同誌(2001年9月号)にNHKのアナウンサーが登場というのはナカナカ)。高山アナ、少年時代は典型的なラジオ馬鹿だったようだ(このブログにおいては最上級の褒め言葉です)。「PAO〜N ぼくらラジオ異星人」(KBCラジオ、1983年5月-1990年4月7日、月〜金21:30-24:30) 、「MBSヤングタウン」(MBS、1967年10月2日-)、「鶴瓶・新野のぬかるみの世界」(ラジオ大阪、1978年4月9日-1989年10月1日、日0:00-終了時間未定)、「アタックヤング」(STVラジオ、1970年10月1日-)などをはるばる山口県から聴いていたのだとか。高山が北野誠に会った時、「MAKOTOの夜はイタダキ」(MBSラジオ)を聴いていたことを告げると「お前…アホちゃうか」と言われた話なども紹介されていた。トランスミッターの話も、いい話だった。1973年生まれというから、深夜放送ブームにかろうじて触れることのできた最後の世代に該たるのかもしれない。さらに、出身の山口県は、福岡および関西を比較的容易に愉しめる立地なのかもしれない。この時代はラジオ雑誌もいくつか出ていて、遠距離受信の情報やテクニックに豊富にアクセスできたはず。遠距離受信も流行っていたに違いない。ウラヤマシイ。

こんな面白いバックグラウンドを持っているのに、NHKのアナウンサー故、それを直接放送で話したりできないのは残念。さすがにNHKの放送で「私は、KBCの「PAO〜N ぼくらラジオ異星人」を聴いてたんですけど」みたいな話はできないので。

『ラジオライフ』2007年11月号のインタヴューを読んでから、ナンというか、「この人は実はコッチ側の人だったんだなぁ」と親近感を覚えた。

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〜夜な夜なニュースいぢり〜 X-Radio バツラジ(TBSラジオ、2007年10月17日(水)24:00-25:00)

○「〜夜な夜なニュースいぢり〜 X-Radio バツラジ」(TBSラジオ、2007年10月17日(水)24:00-25:00)

この番組では、構成作家が書いた手紙を宮川賢が読みつつイジるという体で、その日のニュースが紹介される。ちなみに宮川が『ラジオマニア2007』(三才ブックス、2007年)で展開していた秀逸なラジオ批評に感心したことは、このブログでも触れた。

○『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)

さて、「〜夜な夜なニュースいぢり〜 X-Radio バツラジ」(TBSラジオ、2007年10月17日(水)24:00-25:00)冒頭で、タモリのレコー・デヴュー30周年を記念して復刻版CDが発売される話題を紹介していた。『タモリ』『タモリ2』『ラジカル・ヒステリー・ツアー』の3作品がそれに該る。「タモリのオールナイトニッポン」で一斉を風靡した「ハナモゲラ語」を駆使した楽曲も満載で、ブラックなタモリを堪能できるのだとか。そういえば「タモリの週刊ダイナマイク」(ニッポン放送)、やらないのかぁ、今年は。あの番組(および後続の番組)は、力の抜けた後のタモリとアングラ時代のタモリの両方の面白さが愉しめるところが好きだったのに。

宮川の番組では、お馴染みの「4カ国語マージャン」、ニセ民族音楽「ソバヤ」(この曲は聴いているうちに途中でハッと意味が解って思わずにニヤリ)が流れた。以前、「大竹まこと 少年ラジオ」(文化放送、2004年10月2日-2007年3月31日、日7:00-10:00)坂田明がゲスト出演したときに、山下洋輔、赤塚不二夫、筒井康隆、高信太郎などの錚々たる面々がバーか何かに集まりタモリの芸を愉しんでいる時に、その中の誰かが「お前、4ヶ国の人でマージャンはできるか」と言ったのに対して、タモリが「できます」と言って演じたのが「4カ国語マージャン」の始まりだというエピソードが紹介されていた。最初はアドリブだったのだ。スゲェ。

CDの発売は12月19日なのだが、「バツラジ」を聴きながら速攻でAmazon.co.jpにアクセスして3枚とも予約。というのも、つい先日、付録にテルミンの組み立てキットが入っている『大人の科学マガジン』を買いそびれて、入手可能日まで今や2か月待ちの有りさま。テルミンとは、本体から突き出た電磁波を発するアンテナに手をかざし、怪しい魔術師か拳法遣いよろしく操作する、ソ連で開発されたシンセサイザーの元祖的な電子楽器。まさか、みんながそんなにテルミンずきとは思わなかった。「まさか、みんながそんなにタモリずきとは思わなかった」とニの轍を踏まないように、今回は先手必勝を期したのだ。

このCDの話題に絡めて宮川が語った「タモリのオールナイトニッポン」(ニッポン放送、1976年10月-1983年9月、水25:00ー27:00)の想い出に、ラジオ聴きのひとりとして非常に共感を覚えた:

オレもねぇ、好きだったモンな〜。物凄かったですよね〜。あの〜、オレもね、「オールナイトニッポン」はタモリさんなんだよなぁ、うん、世代的には。その後は「世界の」が付く人がねぇ、始めてからはね、オレは「そんなに」だったんだけど。おもしろかったんだよな〜。オレがラジオ好きだったのは、そこで培われたような感じがあるようなする気がする。火曜日が所ジョージさんで水曜日がタモリさんだったんだよね、そうそう。

そんでねぇ、あのぅ、山藤省二さんが、その「タモリのオールナイトニッポン」を大好きっていう話を、あのう、聞き付けて「何か、文化、エセ文化人に聴かれてるのって嫌だな」みたいなことをぶちぶちぶちぶち「オールナイト」で言ってたのを憶えてんだけど、オレの中では、その山藤章二さんがタモリさんの「オールナイト」を好きって言うのが、なんかねぇ、こう……何だろうな。

こう、タモリさんとかが出てきた時って言うのは、お笑いっていうのはねぇ、[島田]紳介さんがねぇ、あの、例えてるけど、漫才ブームの後に例えたけど、元もとは、あのぅ、料理の盛られたお皿の上ではパセリのようなものだったと。メイン・ディッシュにはならないし、えぇ、小付けの味付きスパゲッティにすらならない。わきにビュッと乗せるパセリのようなものだったのが、その「お笑い」イコール「パセリ」がメイン・ディシュに切り替わる時代が急に訪れた、ってなことを紳介さんが「ザ・漫才」のブーム、ねぇ、のことを振り返って言っていたけれど、本当にそうだと思ったよね。

で、まだパセリの名残りのあるような頃だから、非常に深夜放送そのものがマイノリティーだったし、で、こういう人が、「今でこそ」の人だけど、「アングラ芸人」ていうかさ、アンダーグラウンドねぇ、あの、決してメジャーなところには行かないだろうって言うような類の人がやってる放送だからオレらもコッソリ聴いて、それが楽しくて、「そんなの聴いてたら親父に怒られるだろうなぁ」みたいな感じだった訳じゃないですか。だけど自分たちの中ではタモリさんてのはもう大ヒーローで、「なんて面白いんだろう、この「オールナイトニッポン」て思ってたんだけど、それを、あのぅ、『週刊朝日』の「ブラックアングル」書いてる、まぁ言ってみりゃあ大文化人ですよねぇ、イラストは上手いし、世の中斬ることもできるし、という、こう、何だろうなぁ、『朝日新聞』における朝日ブランドのなかで看板張ってる山藤章二さんが好きっていうことを公言し始めたことで、オレらはもう嬉しくて嬉しくて仕方なかった憶えがありますよ。「そうなんだぁ、認められたんだ」。

それがあるから、あのう、オレの中で、何ていうのかなぁ、あのう、「デイキャッチ」のイメージはね、イイんですよね。へへ、山藤さんが、あのう、出てたから。だから自分の中では「山藤さん、ありがとう」みたいな気持ちがねぇ、「タモリのオールナイトニッポン」ずきっていうことだけであるんですよねぇ。

私は「タモリのオールナイトニッポン」を聴いていた世代ではないが、伊集院光を小林信彦が褒めるのを読んで感じる想いと同じだなぁと感じた。

ついでに、『サンケイスポーツ』(2007年10月17日付)によると:

 あまりにも有名な中英独日の“4カ国語マージャン”をはじめ、アフリカ民族音楽と聞き違う“ソバヤ”、ハナモゲラ相撲中継、世界の短波放送など、伝説の芸がたっぷりと堪能できる。

とのこと。「世界の短波放送」となると、このブログをご覧の方のなかにも興味のある方が多いはず。「タモリのオールナイトニッポン」の時代と短波放送ブームは時代としては重なっていたということだろうか。うらやましい時代だ。

ところで、このブログで私は「ジェットストリーム」(TOKYO FM、月ー金24:00ー24:55)について何度か熱く語ったりしたが、「ジェットストリーム」と放送時間が重なる「バツラジ」も、実は聴いている。「ジェットストリーム」はリアルタイム、「バツラジ」はタイマー録音して時間差で、という聴き方だ。

○ジェットストリーム(TOKYO FM、月〜金 24:00-24:55)
○「ジェットストリーム」のエンディング・ナレイションの今昔
○JET STREAM 40th Anniversary Around the oneworld(TOKYO FM、月〜金 2007年6月18日〜 7月2日24:00-24:55、7月3日23:00-24:55)
○ジェットストリーム(TOKYO FM、2007年7月16日(月) 24:00-24:55)

「NEWS23」などのテレビの深夜ニュースでその日のニュースは一応チェックする。深夜0:00に前日のニュースの中から面白い話題をおちょくりながら紹介する「バツラジ」は、私にとってのもうひとつの視点を提供してくれる(というほど大袈裟ではない)、なければなくて構わないがあると愉しい番組だ。現代におけるラジオそのもののポジションと同じか。

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みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいんじゃない〜(TBSラジオ、2007年10月1日(土)19:00-20:30)

「みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいんじゃない〜」(TBSラジオ、2007年10月1日(土)19:00-20:30)

この秋のTBSラジオの改編の目玉は「立川談志・太田光 今夜はふたりで」(TBSラジオ、土23:30ー24:00)あたりかもしれない。一度は聴いてみようとは思っているが、今のところはまだ聴いていない。談志・太田はふたりとも好きではあるし、ふたりが相思相愛なのも知っているが、それ故に何か悪い予感がするというかナンというか。うまく言えないけれども、伊集院光と爆笑問題の「JUNK交流戦スペシャル」(TBSラジオ、2006年9月1日(金)25:00-27:00)のような感じというか、面白かったけれども、身内同士で褒め合う雰囲気——明示的に褒め合っているわけではないのだが——の居心地悪さにムズムズさせられる感じだった、あんな感じになるんじゃないかと危惧しているのだ。

○Yahoo!ポッドキャスト - JUNK 交流戦スペシャル - 爆笑問題と伊集院光のJUNK交流戦スペシャル

そんななか、私にとっての改編の目玉で、欠かさずに聴こうと思っている番組は「みうらじゅんの「サブカルジェッター」〜2番目がいんじゃない〜」(TBSラジオ、土19:00-20:30)だ。番組ウェブサイトで放送のダイジェストを聴くことができる。

○TBS RADIO みうらじゅんの「サブカルジェッター」~2番目がいいんじゃない

TBSラジオの改編情報のページの番組紹介は次の通り:

「マイブーム」の生みの親、そしてサブカル界のスーパースターとしておなじみのみうらじゅん(MJ)が毎週のその仲間たちを招き、主に30代〜50代の男性に向けてその世代が青春を過ごしてきた時代や現在のカルチャー・音楽、アイドル、映画、テレビ番組、雑誌、CM、エロなど、勝手な視点でトークを繰りひろげます。

また、この番組のキーワードは「2番目」。メインとしては全く認識されないが、実は心のスキマに「グッとくる」2番目の存在をみうらじゅん流(MJ流)の解釈で切り取ります。

みうらじゅんが毎週スタジオに招くのは、「MJワールド」を熟知した愉快な仲間たち。週替わりで登場し、それぞれの持つ得意ジャンルとMJワールドを掛け合わせ、様々なテーマで「熱くゆるい」トークをお送りします!

これを見た時は「あぁ、まだ何も決まっていないんだなぁ」と直感した。

第一回目のゲストはいとうせいこうだった。番組紹介を読んだ時に受けた啓示は概ね正しかった。サブ・タイトルの「2番目がいんじゃない」に関連する話も特に出なかった。内容については要約するのも馬鹿バカしいぐらいの、漫才調ゆるトークが延々と一時間半も続くという、みうらじゅんを愉しめない人には「何じゃこりゃ」、ファンにとっては垂涎ものの充実した内容。ひとつの話題が次の話題に脱線し、取り留めもなく話がぬるぬると続いてゆく。

この日もいとうは、「スライドショー」でみうらをツッコミ続けてきただけあって、少し修正すれば漫才のネタになりそうな秀逸な掛け合いの連発だった。一例をあげると:

みうら まぁ、でもね、あの、今日は、もう、地球規模の話から……
いとう マジに?
みうら 出るよ。宇宙規模の話も出ると思うんだ。
いとう 何、その「規模」って?
みうら 最近、宇宙規模でものを考えるようになったんですよ。
いとう いいことだねぇ。
みうら うん。前は、町内規模ぐらいで考えてたんだけど、宇宙規模で考えた時に、飛行機がなぜ飛ぶかが解ったんだよ!
いとう えぇ!
みうら これスゴい話!
いとう ちょっ、ちょっ、ちょっと、教えてよ、それ。
みうら ちっちゃいレベルで考えてたから、飛行機は重いのに飛ぶわけないと思ってたけど、宇宙レベルにしたら、
いとう 考えたら。
みうら 飛行機って鼻クソみたいなもんじゃん。
いとう あっははは。だから飛ぶんだ!
みうら そう。だから、
いとう マジに?
みうら 鼻クソほじって指についたやつをピ〜ンってやっただけで、ある時、距離でるでしょ?
いとう おぉ……。
みうら ある距離でてんじゃん。
いとう おぉ……。
みうら だから東京から福岡ぐらいは平気で飛んでるっていう話なんだよ。
いとう そんなこと言ったらさぁ、山が山ごと飛ぶじゃん?
みうら ……えぇっ!?
いとう 宇宙規模で考えたら、富士山だって小ぃさなもんだよ。誰かがちょっと離陸させればピョンと飛んじゃうじゃない?
みうら 富士山もかい?
いとう 富士山もでしょ。
みうら 富士山、飛ばす必要ないじゃん。富士山、飛ばすと……、
いとう でも富士山にみんながしがみついてさぁ、一斉のせでピョ〜ンと飛べたらさぁ……、
みうら あぁ、なるほどね。
いとう あるぜ、それ。
みうら 確かにそうだ、確かにそうだ、確かにそうだ。おぉ……。
いとう 「マウンテン・ジェッター」だね。
みうら 「マウンテン・ジェッター」なんだ。そう言うんだ?
いとう いや、知らないけど。
みうら あぁ……。
いとう 「あぁ……」じゃないよ。

また、「サブカルには季語がない」「サブカルってねぇ、友情を結びにくいんですよ」など、みうらじゅんの、一見意味ありげな格言風の戯れ言に、いつもながらニンマリしてしまう。

「第二回目のゲストは誰かな?」と思って10月8日(土)にもチューニングを合せたら、プロ野球のクライマックス・シーズンの中継だった。残念。第2回の放送は11月初旬までお預けだそうだ。どうせ今後は、山田五郎、安斎肇、大槻ケンヂ、えのきどいちろう、伊集院光、北野誠あたりのランイナップが続くのだろうと容易に先が読めるが、それでも、否、それが愉しみだ。

鰻とりの名人であれば、文字通り掴み所のない鰻をしっかと捕らえて逃がさないコツを知っているものだが、この番組を聴く時は、掴み所のないトークを敢て捕らえようとせず、ぬるぬるを手の中で遊ばせるような感じで愉しむのが正しい聴き方だと思う。

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クラブ954スペシャル(TBSラジオ、2007年10月15日(月)1:30-4:00)

○「クラブ954スペシャル」(TBSラジオ、2007年10月15日(月)1:30-4:00)

今週も、例によって荒川土手に上がって「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、日25:00ー26:45)を遠距離受信。「明日も早いし帰るか」と家に向かって歩きながらラジオのダイヤルをイジッていると、TBSラジオで聴き憶えのある声がした。一場麻美の「クラブ954スペシャル」だ。

そう言えば今週は聴取率調査週間だった。この番組は聴取率調査週間の月曜1:00-4:00(聴いている側の感覚としては日曜の深夜25:00-28:00)だけに放送される音楽番組で、TBSラジオ情報キャスターという女性たちが担当する。番組は2部構成になっていて、通常、1部では邦楽、2部では洋楽が紹介される。東京近郊にお住まいでない方も、他局の多くが放送を休止している日曜日深夜に100kwの高出力での放送しているということで、窓際にラジオを置いて954kHzにチューニングすると全国的にけっこう聴こえます。放送日をチェックして、一度お試し下さい。

2部は一場が担当することが多く、黒っぽいAOR、R&B中心の選曲も個人的にツボ。今回は1部も一場が担当したとのことだが、私は2部の途中(26:45ごろ)からしか聴けなかった。もっと早く気づいていればなぁ。やられた。

率直に言って、「クラブ954スペシャル」はTBSラジオの番組の中でも最も好きな番組のひとつ。しかし、先述の通りたまにしか放送していない。また、ただでさえ不定期放送であることに重ねて、最近の聴取率調査週間は「文化系トークラジオ Life」(TBSラジオ、毎月最終日曜日25:30-28:00)の放送と重なったり、沢木耕太郎の特番が放送されたりして、本当に久しぶりだ。こんなレアな感じもこの番組の魅力と言えば魅力なのだけれども。

この番組自体が気に入っているだけでなく、この番組を担当する情報キャスターのなかでも一場麻美のDJはとても良い。まず、彼女の話を聴いていると音楽に詳しいと判るが、それでいて抑制が効いていて余計な部分がない。それに、声の調子が落ち着いていて、美しい日本語で話すところも良い。音楽に詳しいからといって知っていることを全部喋ればいいということではないし、洋楽を紹介するからといってバイリンガルもどきにしなければいけないということはない(英語のDJが聴きたい時は AFNInter FM を聴けばよい)。ちゃんと音楽が聴けて、紹介も適切でしつこくない——こういうのが音楽番組の正統のはず。しかし、こういう番組はありそうでない。

自分だけを基準にし全体像を推測するのは適切ではないかもしれないが、ラジオが好きで音楽が好きな人なら絶対に気に入る番組だと思う。きっとこの番組を密かに好きな人は少なくないはず。

東京といえども、夜のもっとも深い時間になると昼間の空気の塵芥が沈澱して、多少は澄んだ空気になる。冴えた夜の空気と静寂がよく似合う番組だ。この番組を聴きながら夜の荒川土手を歩いていると、首都高の扇大橋入り口がオークランド・ベイ・ブリッジの入り口に、荒川越しに見える川口市の高層マンション群の夜景がサン・フランシスコ湾からの夜景に見えてくる——そんな訳はないけれども、そのくらい気持ちイイ番組だ、と言いたいのだ。

The Oakland Bay Bridge The San Francisco Bay

最後に、今回の一番の聴き所は、一場の歌声をチョッとだけだが聴くことができたところだ。彼女が音楽をやっていることはネットで見て知っていたし、番組の中でも言及したことがあるような気がするが、実際に聴くのは初めて。プロのバンドに混じって音楽の演奏を愉しめる、Music Simulation Bar 08:30 という店の紹介のなかで、一場がキャロル・キングの"It's Too Late"を歌う音源がBGMとして流れた。個人的には、BGMとしてではなく、ちゃんと聴きたかったなぁ。

あと、エンディング・テーマが Angie Stone の "Bottles & Cans" だということが、今回の放送で初めて判った。

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伊集院光『のはなし』(宝島社、2007年)

伊集院光『のはなし』(宝島社、2007年)

伊集院光の初エッセイ集。番組本ではないので、このブログの話題としてはそぐわないのだが、そこは、われらが「平成のラジオ王」の手になる書籍ということで、ご愛嬌。

もとは、ツーカーセルラー東京の「夕刊ツーカー」というメール・マガジンで配信されていたコラム「編集長伊集院光の一言」を書籍化したものだそうだ。

正直言って、『のはなし』というタイトルはイマひとつパッとしないというか、埋没しそうな感じなので心配(?)したのだが、相当売れているそうで、第一刷が売り切れて増刷が決まったとラジオで言っていた。私がAmazon.co.jpで見たときはランキング27位、紀伊国屋書店週間ベストセラー(2007年10月1日-2007年10月7日)では57位。そして何よりも、金曜日の朝の駅のホームで読んでいる人を見た。ああいう時は、初対面の同志として話しかけたら喜ばれるんだろうか?

さて、内容に関しては、どっちが先の発表なのかは判らないが、月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、月25:00-27:00)でも聞いたことのある話が結構あった。しかし、内容は基本的に同じでも、伊集院の事象に対するポジションがラジオとは微妙に異なるところが興味深い。

例えば、奥さんや家族に対する敬意や感謝が割とストレートな言葉で記されている箇所が散見される。ラジオではあまりそのようなことはない。別の話題のコラムの中の記述ではあるが、「このコラムにはテレビ・ラジオで話さないことこそ書くべき」(p.210)という言葉が見られるが、そういうことなのだろう。

内容については、爆笑問題の太田光によると「久びさに、なんかこう、吹き出して笑ったね」「もうすっかり、なんか、エッセイの達人のような文章でねぇ」とのこと。続けて、遠藤周作・北杜夫・向田邦子・安岡章太郎・團伊玖磨などの名前を挙げながら、名文士による「チョッと笑えて面白い、でチョッと知的だったりするような、それで物凄いえげつなかったりとかっていう、そういう感じ」の最近ありそうでないエッセイに喩えて評していた(火曜JUNK「爆笑問題カーボーイ」TBSラジオ、2007年10月9日(火)25:00-27:00)。

私としては、いちばん好きな一本を選ぶなら「「無神論」の話」(pp.210-212)。「無神論」と「無宗教」がごっちゃになっているような気がしなくもないが、この一本はラジオの伊集院とコラムの伊集院との両方の味わいを堪能できる。ラジオではお馴染みの「嬉し座りションベンするバカ犬」の話題の外伝として、いつもと違うアプローチの語りが展開されている(加えて、いい話だが抑制が効いていてクサくないところも気に入っている)。そればかりでなく、最後の「オナラブーブー音頭」にラジオの伊集院(特に深夜のほう)の雰囲気も感じられてニヤリとする。しかし、単にニヤリとさせられるだけでない読後感の心地さがじんわりにじんでくる。

ほかには「「お葬式」の話」(pp.39-41)や「「ザリガニ」の話」(pp.84-87)、「「ペットショップ」の話」(pp.191-194)がよい。

投稿職人による伊集院ファン・サイトがいくつかあるようなので、その人たちの誰かがこの本のコラムの人気投票とかやってくれないかなぁ。

伊集院光のファン・サイト
 ○NEWラジパラザウルスの伊集院光閉架書庫
 ○イジューインホリック

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伊集院光の本

伊集院光のCD

ついでに……「おバ歌謡発掘大作戦! レコード会社対抗 おバ歌謡プレゼンテーションスペシャル」で話題になった尾崎豊「卒業」のカヴァー

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上柳昌彦 お早うGood Day!(ニッポン放送、月〜金6:00-8:30)

○「上柳昌彦 お早うGood Day!」(ニッポン放送、月〜金6:00-8:30)

ニッポン放送の早朝ワイド番組は、静かだなぁといつも思う。

うえやなぎまさひこが名前を漢字表記の「上柳昌彦」に戻して早朝ワイド番組を担当することになった。

秋の改編前までは「うえやなぎまさひこのサプライズ!」(ニッポン放送、2002年9月30日〜2007年9月28日、月〜金8:00-11:00)を担当し、番組のコーナー「10時のちょっといい話」を書籍化した『車いすのパティシエ』(扶桑社、2006年)『母ちゃんダンプ』(扶桑社、2007年)はベストセラーとなった。「10時のちょっといい話」は「8時のGOOD STORY」と名前をかえて新番組でも継続しているが、私の歳では、このテのいい話はまだチョッと照れくさいし、本も買ってはいない。うえやなぎは、「うえやなぎまさひこのサプライズ!」でギャラクシー賞も受賞した。

上柳で想い出すのは、少年時代に聴いていた「HITACHI FAN! FUN! TODAY」(ニッポン放送、1986年4月-1990年3月)。「ヒタチィ〜、ファンファ〜ン、トゥデイ トゥデイ トゥデイ トゥデイ」って、懐かしすぎる。音楽番組を担当するカッコいい声のアナウンサー——どんな男前かと思っていたが、写真を見たのはつい最近になってから(『笑芸人』VOL.14<特集・笑うラジオ>(白夜書房、2004年)での吉田照美×うえやなぎまさひこ×伊集院光の鼎談)。

他に、『ラジオDEパンチ』VOL.01(白夜書房、2005年)の単独インタヴュー、『ラジオDEパンチ』VOL.02(白夜書房、2006年)の野村邦丸(文化放送アナウンサー)との対談でも、上柳の人となりを知ることができる。

伊集院に言わせると上柳の見た目は「人生で一回も悪いことしなかったジャン・レノ」「ちょいイイおやじ」(「伊集院光 日曜日の秘密基地」(TBSラジオ、2006年5月14日(日)13:00-17:00))。また「ニッポン放送で唯一のオレの理解者」とも呼んでいるが、くりぃむしちゅーの有田哲平とゲームをするためにニッポン放送にこっそり訪れた際に本番前の上柳をスタジオに訪ねたが、生放送の準備に忙しくまったく気づいてくれなかった、とか(月曜JUNK「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ、2007年10月8日(日)25:00-27:00))。

この9月まで担当した「サプライズ!」は、放送時間帯が私のラジオ聴取時間と合わなかった。しかし偶然、一度だけ聴くことができた。その日は岡村孝子がゲスト出演していた。アルバムなのかライヴなのかは忘れたが、何か音楽活動の告知のためだったと思う。しかし当時の岡村孝子の近況についての一番の話題は、元プロ野球選手の石井浩郎との離婚であった。

想定上のリスナーのニーズは、岡村の離婚の真相であった。そして当然のことだが、うえやなぎはためらいがちにそのニーズを充足する努力をした。離婚の真相として巷間噂されていたのは石井に好意的なストーリーであった。この噂を岡村にぶつけて反応を放送に乗せるのがうえやなぎの仕事だった。岡村は「当事者にしか解らないことがあります」と、静かだが棘のある調子で不快感を隠さなかった。スタジオの凍り付いた空気がこちらにもビリビリと伝わってきた。その時、マイクは単に人の声でなく、空気の振動を伝えるのだと改めて思った。うえやなぎは「もうこの話は聞きませんね」と直ぐに退いた。

番組ホストとしてのうえやなぎのためらいがちな切り出し方からは、人間としての上柳の次のような本音が見隠れしていたように私は感じた——離婚話についての「想定上のリスナーのニーズ」なんてじつは存在しないのではないか、そして何よりも「こんな話は本当は聞きたくはない」。うえやなぎ程のプロフェッショナルであれば「仕事」に徹することなど造作もないはずだが、このときの彼のためらいに、この人は信用できる喋り手だと確認した。

さて、本題の「上柳昌彦 お早うGood Day!」だが、その日の朝のニュースや情報を次つぎに紹介していく早朝ワイド番組の性質上、上柳が自分の意見をじっくり話す時間はあまりない。したがって、「サプライズ!」で前述のようなかたちで上柳の喋り手としての姿勢を知った私としては、ややもの足りない。また、感想や批評の対象にしにくい番組でもある。

ただ、比較すると、ニッポン放送の早朝ワイド番組は、静かだなぁと思う。つまるところBGMの使い方のせいだとは思うが、非常にスペイスィー(spacy)な雰囲気が漂い、時にもの悲しく感じさせることすらある。恭しく朝を迎えるような番組という感じ。それに対して、TBSラジオの「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ,月〜金6:30-8:30)は、情報量が多く慌しい。ラッシュ・アワーの満員電車のサラリーマンの番組という印象か。文化放送の「吉田照美 ソコダイジナトコ」(文化放送、月〜金6:00-8:30)は、とにかく明るい。昼ワイドの雰囲気を早朝に持ち込んだような感じで、それはそれで画期的かもしれない。

朝の電車では、たいていはTBSラジオかエア・チェックしておいた「JUNK」(TBSラジオ)、時どき文化放送という感じだった。しかし、しばらくは「上柳昌彦 お早うGood Day!」を聴いてみようと思う。

ラジオ局のアナウンサーが深夜放送からだんだん早い時間帯へ上がってゆき早朝ワイドの担当になると気になるのが、今後のことである。カメとアンコーの亀渕昭信は現場を離れて社長になり、斉藤安弘は一旦は現場を離れたものの現役の喋り手として活躍中である。放送によると上柳は50歳。定年にはまだまだ早いが、カメとアンコーのどちらの途を選ぶのだろうか。

個人的には後者の途を進んで、週末の夜あたりにゲストとフリー・トークするような番組を長く担当して欲しい。

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AM民放各局(東京圏)、秋の改編リンク

今回はちょっと手抜きですが、東京圏の民放各局の秋の改編情報ページの一覧をつくりました。お役立てください。

○TBSラジオ(954kHz)
 TBSラジオ 秋の新番組スタート!
  http://www.tbs.co.jp/radio/2007off/
 タイムテーブル
  http://www.tbs.co.jp/radio/timetable/ 

○文化放送(1134kHz)
 2007年10月スタート!秋の新番組
  http://www.joqr.co.jp/new0710/
 タイムテーブル
  http://www.joqr.co.jp/ttb/index.html

○ニッポン放送(1242kHz)
 10月1日、ニッポン放送の朝がかわります!
  http://www.1242.com/2007kaihen2/
 タイムテーブル
  http://www.1242.com/timetable/

○ラジオ日本(1422kHz)
 改編情報ページは見当たらず。
 トピックス
  http://www.jorf.co.jp/TOPICS/index.php
 タイムテーブル
  http://www.jorf.co.jp/timetable/

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目次:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)関連

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)関連のエントリーへのアクセスが非常に多く驚いています。やっぱり『エヴァンゲリオン』は人気なんですね。したがって、この件に関する本ブログの「目次」的なものをつくってみました。このページから、「深夜の緊急対談」に関連する本ブログ内の全てのエントリーにアクセスできます。

なお、放送内容は現在、「文化系トークラジオ Life」のサイトでも聴くことが出来る。出演は、竹熊健太郎宮台真司新井麻希(TBSアナウンサー)。:

※深夜の緊急対談:序をダウンロードする ( mp3 42'20'')
※深夜の緊急対談:破をダウンロードする ( mp3 43'04'')
※深夜の緊急対談:急をダウンロードする ( mp3 38'56'')

以下、本ブログ内の関連エントリーです。

◯「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)

まとめ(1)「序」:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00

まとめ(2)「破」:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)

まとめ(3)「急」:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)

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HCJB World Radio(2007年9月30日(日)7:30-8:00 、15525kHz)

HCJB World Radio(2007年9月30日(日)7:30-8:00 、15525kHz)

エクアドルの首都キトから「アンデスの声」を放送していた尾崎一夫夫妻が、2006年にファンの声に応えて再開した放送が、HCJB World Radioだ。といいながら、私自身は、かつてBCLが熱かった時代を知らないため、これら一連の話はBCLの歴史として知るのみである。 先日、ELPA ER-21Tを手に入れて以来、いろいろと短波の国際放送を聴くようになった。ELPA ER-21Tは、格安にしてはそこそこの性能で、BBC World Service やドイチェ・ヴェレなどの受信に先日成功したことをこのブログで公開した:

ELPA ER-21T(ELPA 朝日電器株式会社)

そして、今回はHCJB World Radioの受信に成功した。

調査方法概要:

受信日時:2007年9月30日(日)(時刻は下記参照)
受信地:東京23区北部(地面の海抜が1m前後の住宅地)の室内
受信方法:ロッド・アンテナにリード線をつないで、もう一端をコンセントの片方のみに差し込んだ状態で受信
録音方法:ER-21T(ELPA)で受信した音声をTalkMaster(サン電子)にライン入力して任意の時間録音
参考サイト
Web2.0上最強(笑)の海外日本語放送スケジュール(IWATAさん作成)

受信結果:

○HCJB World Radio7:33JST 15525kHz
  ダウンロード 200709300733.mp3 (137.5K)

ステイション名やコール・サインなどは聴き逃してしまったが、上掲の音声はHCJB World Radioの物だと思う。違っていたらご指摘下さい。 HCJB World Radioは現在、土曜日と日曜日の7:30-8:00に放送している。オーストラリアから送信しているとのこと(番組制作はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴ)。したがって、エクアドルからの電波を受信するような、地球の裏側からの声を聴くワクワク感はないかもしれない。そして、今回の放送の大半は雑音で聴き取ることができなかったが、BCLの歴史の一端を知ることができた気がした。

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誠のサイキック青年団(ABCラジオ、2007年9月30日(日)25:00-26:45)

「誠のサイキック青年団」(ABCラジオ、2007年9月30日(日)25:00-26:45)

2年前、銀幕のリ・キョンジャに心を奪われた人たちにとっては、切ない日々が続いているかもしれない。

井筒和幸[監督]『パッチギ!』(2005年)は、日本テレビが仕切っている日本アカデミー賞では、日本テレビが巨費を投じて制作した『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005年)の後塵を拝したものの、『キネマ旬報』をはじめその年の批評・映画賞で最高の評価を受けた。この作品で、パッとしないグラビア・アイドルだった沢尻エリカはスター女優になった。

今回の「サイキック」は、沢尻エリカ批判で始まった。

ところで、この日の日中は雨で、荒川土手でのラジオ聴取は危ぶまれた。土曜日に作ろうと思っていたループ・アンテナも風邪のために先送りとなった。土日はほぼ寝て過ごし、「伊集院光 日曜日の秘密基地」(TBSラジオ、日13:00-17:00)も蒲団の中で聴きつつ回復を待った。夕方ごろから眠って23:00頃に起きて外を見ると、地面は湿っているが雨は一応やんでいるようだった。しかし、実際外に出てみるとかすかに小雨がまとわリついてくる。小雨決行だ。

この日はいつになくクリアーに番組を受信できた:

ダウンロード 200709302528.mp3 (21.0K)

沢尻エリカの話
さて、商品としてのアイドルと生身の本人を同一視するようなナイーヴさはとうの昔に捨てたつもりでいる。生身の人間の外観をいわば「義体」にして、そこにヴァーチャルな人格を注入して商品に仕上げたものがアイドルだろうと思う。沢尻サイドが『パッチギ! LOVE & PEACE』(2007年)への出演を蹴ったのは、在日イメージの定着が、彼女の周囲が目指す沢尻の商品化にとってマイナスに作用するという判断によるものだろう——奇しくもそれは『パッチギ LOVE & PEACE』(2007年)で展開されるモチーフと合致してしまっている。井筒和幸は浅草キッドの「NISSAN 全国おとな電話相談室」(TBSラジオ、2007年6月3日(日)9:00-9:30)出演時に沢尻について、「飛んでっちゃったよ」とこぼしていた。

女性アイドルが商品として長もちするためには、「男に媚びない女」の側面を協調して、男性よりも女性にウケる途を選ぶ方が上策だということは、浜崎あゆみが証明した。大事にされ過ぎて進退極まった深田恭子が急に金髪にして失敗したのも、そうした目論見と無縁ではないだろう。80年代と異なり、男性ファンのアイドルに対するロイヤリティーは低い。彼女たちは男性ファンにとって、親衛隊として身を挺する対象ではもはやなく、もっぱら下半身の欲を充足させるためのひとつの項にすぎない。沢尻が、Led Zeppelinの影響を受けたなどという珍妙なギミックを用いて音楽活動に進出したのは、ティーンズのファッション・リーダーとしての耐用年数が切れつつある浜崎あゆみの後釜にでも座ろうというハラなのだろうか。

みんな承知の上で、高慢キャラで話題に上り続ける沢尻とそれをイジっておもしろがるマスコミというウィン・ウィンの構図ができているのかと思っていたが、北野誠と竹内義和のふたりの話ぶりだと、本当に当惑を呼んでいるようだ。

我われがメディアを通じて目にする沢尻のキャラクターと本人の人格がどこまで一致しているかは判らないが、注入されたキャラクターが本来の人格の鍵を開けてスパイラルを起こすことはあるかもしれない。それでも、私の推量では、当の沢尻自身も注入されたキャラクターをコントロールできずに窮して、商品としての自分と本当の自分のあいだで当惑しているのではないかという気がする。ことによると、沢尻に江原啓之あたりをけしかければ、「ホントは私——」という感じで泣きながら落ちるんじゃないだろうか。

こんなことを考えるのも、リ・キョンジャだったころの沢尻エリカをあきらめられないせいだろうか。

安田美沙子の話
沢尻の話の後に安田の話をもってくるとはナカナカとは思ったが、正直いって安田は私のタイプではない。私は、癒しが必要なほど憔悴し切ってはいない。ただシャンプー・イヴェントの話で、安田とは関係ないが、ひとつ思い出したことがある。

行きつけの床屋に一時期、若い女性の理髪師がいた。まだ新人らしく、シャンプーとヒゲ剃りだけを担当していた。ある日ヒゲを剃ってもらう時、彼女は、仰向けの私の左側に立ち私の顔に覆い被さって右側の頬を剃り始めた。その時、私の顔の左半分が柔らかく圧迫された。何が起きているのかは容易に理解できたが、私はプライドが高すぎて目を開けて確認することはできなかった。アニキの言い方を借りれば、「情報をダウンロードするために必死」、「バッファ中」が精ぜいのところであった。

絶好調のアニキ名言集
放送の中で誠さんの「今日、冴えてますね」という言葉の通り、この日のアニキは絶好調だった。個人的には、アニキが男と女の話をするときのジゴロ・キャラが妙に可笑しかったりする。この日の名言はこんな感じ——

メール・アドレスを教えろとせがむ石田純一に、安田美沙子が「一回だけ言いますから憶えて下さい」と言うと、収録後に石田がすぐにメールして来た件について:

北野 さすがや、その辺。50こえてまっせ。横文字ガ〜って言われても忘れまっせ。
竹内 執念で憶えてるんですね。爪で自分の腕に書いたとかないですか?

安田美沙子のシャンプー・イヴェントについて:

竹内 僕、頭洗う時は全部脱いで洗うんですけど、そういうのはOKなんですか? 頭だけやったら、すごいアレやないですか……。
北野 お前の事情は知らんねん!

竹内 だってね、コレね気ィつけないといけないのは、コレ安田さんサイドに言うときますけど、もしホントに、ガチンコで当てた場合は、コレ絶対ね、その、下のね、下の放出物を頭に付けてくるヤツいるとおもいますよ。正味な話。
平野秀朗 「あのぅ、僕、リンス、これでやってますねん。(一同笑)いつもですから」
北野 「汚れてまんね〜ん」
竹内 「ここ集中的に、ちょっとパリパリになってるから洗って下さい」みたいなね。

平野 スカルプでしょ。頭皮を洗髪するっていう、たぶん、種類のやつなんですよ。
北野 そらそうやんなぁ。
平野 これあのぅ、指の腹で頭の皮を念入りに揉んでもらうんですよ、洗うというよりも。
北野 頭皮マッサージや。
平野 はい。
竹内 全身がねぇ、なんか、おチンポみたいになるんですよ、こう、キュイーンと。
平野 (爆笑)「頭、洗ろてくれぇ」みたいな。
竹内 「ココこすってくれ」みたいな。
北野 「どっかかゆいところないですか?」ぐらい言うてもらわなダメやなぁ。
竹内 「裏筋のあたりが」みたいな。

AV女優を口説こうとしたことをバラされない方法について:

北野 [口説かれたAV女優は]されたほうことのは言わないんですよ。
竹内 だからしとくほうがいいんですよ。(感心する平野)理屈としては。
北野 そうやんな。
竹内 でしょ。
北野 しとくと言われない。
竹内 言われない。しないで、なんか粉かけると言われる。粉かけないかするかどっちかなんですよ。粉かけるか液かけるかどっちかなんですよ。
一同 (拍手)ハハハハ。
北野 今日、冴えてますね。ちょっと今、メモりますから。
平野 下モード全開ですよ。

地震速報
番組終盤で関東地方で起きた地震の速報が流れた。東京の荒川土手で、大阪のABCラジオを通じて、関東で起きた地震の速報を聴くとは思いもよらなかった。遠距離受信って不思議。

最後に
番組のなかで言及されていた京都在住のマラソン好きのピン芸人M.K.って、この人かなぁ?

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木曜JUNK2「カンニング竹山 生はダメラジオ」(TBSラジオ、2007年9月20日(木)、9月27日(木)27:00-28:00)

○木曜JUNK2「カンニング竹山 生はダメラジオ」(TBSラジオ、2007年9月20日(木)、9月27日(木)27:00-28:00)

その夜のカンニング竹山隆範は、いつになく平身低頭であった。

竹山 どうもカンニング竹山です。今日はですね、最初にですね、リスナーの皆様そして関係者の各位にですね、ちょっと、お詫びをしなければいけないことがありまして、え〜、先週ですね、あのぅ僕がですね、この生放送の中で、え〜リスナーの皆様にですね大変不快な思いをさせる発言をしてしまいまして、誠に申し訳ございませんでした。

と、ここまで聴いて、先週の放送も聴いた「リスナーの皆様」のひとりであるところの私は、まったく何のことだか思い当たらない。たいていこのテの謝罪では、肝腎の「大変不快な思いをさせる発言」は繰り返されない。再度リスナーに「大変不快な思い」をさせないための配慮だろうが、鈍感にやり過ごしてしまった私のような人間は、かえって気になってしょうがない。いつも「JUNK」「JUNK2」は、聴き逃しを防ぐためタイマー録音しつつ聴いているのて聴きなおしてみようとパソコンを開いたが、どうしたわけか先週の放送のデータは消去してしまっていて確認できない。

番組の中で読まれたメールの「先週の「生ダメ」みたいに汚い話ばかりすると、爆笑のラジオでもリスナーにドンびきされますよ」という話を聞いてだんだん思い出してきた。先週の放送で竹山は、酔った勢いでおもしろがって彼の後輩芸人で運転手のラブカップル中田に自分の歯クソを食べさせたという話を端緒に、チ○かすをせんべいに塗って食べさせた、尿を飲ませた、中田にはう○こ以外の物はほとんど食べさせたことがある、とエスカレートしていった。おそらく冒頭の謝罪は、このことについてのものだろう。

確かに下品極まる話だ。第1部にあたる「JUNK」がわずか4局ネットであるのに対して、「JUNK2」は25局に全国ネットされていることも不幸に作用したかもしれない。とはいえ、聴いている方も、本気で目くじら立てたりしないで、「笑いながら怒る人」になる度量があってもいいいはずだ。

問題発言といえばそうかもしれないが、最も深い時間帯の深夜放送での発言なのだから、私の基準ではこのくらいセーフだ。最近のラジオの若者向け深夜放送は、概ねヴァラエティー路線に傾斜していると思う。とりわけTBSラジオは「JUNK」「JUNK2」全枠をお笑い芸人で固めている。お笑い芸人が担当する、最も深い時間帯の若者向け深夜放送は、いわば「ダメ人間の王国」であっても構わないのではないか。むしろそうあるべきだと思う。

それにしても、怒られたせいでトーンを下げて恐縮しきっている竹山の放送は、それはそれで可笑しかった。「JUNK」「JUNK2」のなかで、「カンニング竹山 生はダメラジオ」は気に入っている放送だ。謝ることで続くのであれば、こっちとしては御の字だ。以前に前田健がゲスト出演した時「竹ちゃんは、ダメなところも含めて好きなの」と語っていた。もちろん前田とは違う意味においてだが、私も同意見だ。

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