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まとめ(2)「破」:ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)

○「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版公開記念 深夜の緊急対談」(TBSラジオ、2007年9月2日(日)25:40-28:00)についての先日のエントリーにアクセスが思いのほか多かったので、需要があると見込み、放送内容のまとめノートを公開します。

個人的な関心などによってメモ内容に濃淡があるので、悪しからず。

なお、放送内容は現在、「文化系トークラジオ Life」のサイトでも聴くことが出来る。出演は、竹熊健太郎宮台真司新井麻希(TBSアナウンサー)

※深夜の緊急対談:序をダウンロードする ( mp3 42'20'')
※深夜の緊急対談:破をダウンロードする ( mp3 43'04'')
※深夜の緊急対談:急をダウンロードする ( mp3 38'56'')


エヴァ以降

宮台
「人類補完計画」とは?
罰・酬いとしての孤独な個人の疎外という不完全状況を贖罪などの手続きにより脱出。
cf. アーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』
・当時、共産主義思想の体現として批判される。
・心がつながった新人類、個の消失、人類がひとつの主体となるというモチーフの起源
・「オーヴァーロード」による不完全な地球の補完。飽和後に「オーヴァーロード」、人類もろとも滅亡させる目的。
・救済観の原形。
『エヴァ』
・救済観をめぐる対立を主題としている。
 ∴ユダヤ教の聖典『旧約聖書』と外伝の反復的言及
 「生命の樹」と「知恵の実」
 詳しくはこちらの書き起こしを参照。
 東浩紀の「データベース的消費」とネタ
竹熊
『エヴァ』における情報の配置の妙
cf. 「夏エヴァ」のラストのエヴァ羽根→ルシファー、という深読みの可能性
宮台
最も重要な対立
○合一するか否か
 シンジは合一を否定
○どのような主体として合一すべきか
 ゼーレ vs 碇ゲンドウ
・ユダヤ教は神との合一を許さない(カバラは別)。
・キリスト教ではイエスの死により人間の知恵の実を食べたという原罪は購われている。贖罪されている人類の感心は最後の審判の時に永遠の命(「生命の樹」)が手に入るかどうか、「神の国」で神と合一できるかどうか。
 ゼーレ:神に許してもらう補完計画
 碇ゲンドウ:神になるための補完計画
 碇シンジ:どちらも否定
「夏エヴァ」の段階では、こうした設定のストーリー化に成功していない。

竹熊
宮台は、プロット・レヴェルの解説としては100点。
それ以外のメタ・レヴェルの要素
『エヴァ』は何のメタファーか?
アニメ界・アニメ・ファン
◇アニメによって補完されたがっているオタクへの呪詛
 「夏エヴァ」における「春エヴァ」客席の映像のインサート
◆庵野自身がオタクのなかのオタク、「オタク仙人」、20年近くアニメ・スタジオに居住。
こうした作品の捻れが物議へ
◇オタクの娯楽としての『エヴァ』「お前が言うな」「ちゃんとつくれ」
◆庵野の作品としての『エヴァ』「人生賭けてるんだから、スケジュールなんか知るか」

メール(リスナー)
オタクとそれ以外の人の、よりいっそうの乖離
宮台
以上の神学的内容、メタ・レヴェルの話は結びつく。
ユダヤ・キリスト教に対するアンチテーゼとしての初期ギリシャ思想
 ソクラテス(in プラトン「ファイディアス」)
  絶対神への相対的な依存的ポジショニングによる救済はエジプト的で依存的であると批判。
  →ニーチェ、ハイデガーへ
補完による救済に対するシンジの忌避
情報、データ・ベースへのオタク的な依存する観客の下らなさ
竹熊
『エヴァ』という作品の奇異さ
作品のテーマ、庵野の個人史、環境が妙な具合にシンクロ

メール(リスナー)
エヴァ以降のアニメの停滞、パロディーの再生産
竹熊
そもそも、竹熊の世代はパロディー世代だ。ポストモダン。
過去の作品のオイシイところをリミックス→オタクにとって気持ちいいもの。
∴オリジナルづくりの際の困惑
◇庵野の師匠としての宮崎駿と富野
 ふたりは表現することに疑いをもっていない
◆竹熊の世代
 何をやってもパロディーという自意識。
 庵野
 オリジナルをやるためには自分を出さざるを得ないという困難。私小説。
 エヴァに乗ることへのシンジの疑問=何でアニメをつくるかという庵野の疑問
宮台
若い世代には理解できない悩み
 ∵オリジナルをやろうとする人がいない。批判されても痛くもかゆくもない。
  cf. Orange Range問題
ポストモダン世代
 「オリジナルなどない」というかたちで断念を迫られている。
 オリジナル信仰の裏返し。
 庵野の戦い:だけどオリジナルだと言えるためにはどうするか。
 「レッド・ゾーン的切実さ」
竹熊
律子「エヴァは第一使徒アダムのコピー、でもただのコピーじゃないわ。人間の魂が入っているもの」
=作り手、庵野の思いの表現でもある
 過去の作品のただのコピーではなく、自分の魂が入っている。

宮台
セカイ系ラノヴェへの庵野の影響
しかし、「成長するシンジ、成長しないセカイ系」という異論

竹熊
庵野は『エヴァ』以降、アニメから実写へ
『エヴァ』のラスト
 アスカの首を絞めきれず泣くシンジ、アスカ「気持ち悪い」
 補完されなかったふたり、新世界のアダムとイヴ
 理解できない他者を殺して完結する道を採らず。
『ラブ&ポップ』
 庵野、主役級の女子高生たちと遊園地でコミュニケイションを図る。
 →『エヴァ』のつづきとはならず。「庵野さんは逃げたんだ」
宮台
「夏エヴァ」ラスト
一体化を拒絶したシンジは、解りあえない他者とそこそこうまくやっていくしかない。
変なエンディングだか、構想とは合致。
・永遠の命・人類の一体化よりも、いまここをどう生きるのかをめぐる救済
・大きな救済よりも小さな救済を求めていくしかない。
・小さな救済の困難が大きな救済へと短絡する。eg. アキバ系
概念的には成立しているが、作品として自立していない。
新劇場版は、当時の文脈喪失後、物語の中だけで意図を完結させる試み。
 しかし、現代の文脈:
 ・磐石な日常の崩壊、大きな救済の無意味化
 ・スピリチュアル・ブーム(「チャネリング的説教」)
 →当時の文脈はない。
「スクリーンと自分の間に紗がかかっている感じ」
・6話分を圧縮
 シンジの内面的逡巡を余裕をもって追体験できない。
 使徒の唐突さを謎に思う余裕もない。
・見る側の変化
 大きな救済を今さら誰も信じていない。

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