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『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)

○『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)

書店で偶然見つけて購入。昨年の『ラジオマニア』(三才ブックス、2006年)に続く第二弾。三才ブックスの月刊誌『ラジオライフ』のラジオ関連の話題を前面に押し出した感じのつくり。無線や電子工作に必ずしも強くない私のようなラジオ・ファンにとっては、リスナー志向の待望の情報誌(厳密にはムック)。番組改編にあわせて年2回発行されている『ラジオ番組表』(三才ブックス)の読み物の比率が下がってきたのを補うのにもちょうど良い。税込み\1,260。

ちなみに、前号の『ラジオマニア』(三才ブックス、2006年)の記事でいちばん面白かったのは「コミュニティFM ラジオ番組の作り方」。FMさがみに番組提供している 制作会社、Blueberry Project に取材して番組づくりの一連の流れが紹介されている。番組企画書の書き方までわかる。

それでは、最新号に該たる『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)の内容を一部紹介。

宮川賢のラジオいぢり
まず、白眉だったのは「宮川賢のラジオいぢり」。東京圏では「X-Radio バツラジ」(TBSラジオ、月〜金24:00-25:00)「サタデー大人天国!宮川賢のパカパカ行進曲!!」(TBSラジオ、土15:00ー17:00)でお馴染みの宮川賢が、各局の編成を斬るという内容。

ラジオ好き(聴くほうも)で知られる宮川は、本人も「意外なことだと思いますけど」と言うように、FMの話題からスタート。bayfmの女性パーソナリティー発掘の妙を評価。門脇知子(残念ながら私は聴いたことがない)に言及しつつ語った言葉が印象的だった。

「ボクは個人的にお喋りな女性が好きなんですね。そしてその考え方に触れるっていうのが興味深い」

「とくに自由度の高いオープニングトークに注目してたりするんですけど。これってエッセイみたいなものだと思うんです。」
『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)p.10

自分が日ごろ感じていたことを見事に代弁してくれて痛快だ。FMに限らず、すべてのトーク・ラジオを愉しむ真髄のようなお言葉。

ほかに印象的だったのは:

まぁ『オールナイトニッポン』ですよね。中でも『ナイナイのANN』は”牙城”と言う感じ。[……]現在は”尻に火”ですよね。アンタッチャブルの『JUNK』が猛追していますから
『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)pp.13-14

以前このブログで、ナインティナインとアンタッチャブルの聴き比べみたいなことをしたとき、私はアンタッチャブル寄りの結論を出したが、やはり「猛追」中なのかと、またもや納得。

ちなみにその聴き比べとはこのこと:

木曜JUNK「アンタッチャブルのシカゴマンゴ」(TBSラジオ、2007年7月5日(木)25:00-27:00)——「JUNK」「JUNK2」勝手に面白率調査(7)
ナインティナインのオールナイトニッポン(ニッポン放送、2007年7月19日(木)25:00-27:00)

他に、この春のTBSラジオの土曜の夜の大改編については、

どこの局でもそうだと思うんですけど、調子の良い時って、変えるのは土日しかない。しかも土日でも浅い時間はワイド大物がたくさんいるし。
『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)p.14

「そういうことなのかぁ」と、内部事情を少し知った気分で嬉しい。

土曜大改編に絡めて小池栄子の『オンテナ』(TBSラジオ、2005年4月11日〜2007年3月31日、土26:00-28:00)に言及している。「誰でも顔を知っている美人」(p.14)かどうか評価は分かれると思うが,「一生懸命喋っているところが伝わって来て、綺麗な作文の朗読を聴いているような心地よさがありましたよね〜」(p.14)という点に関しては納得させられる経験がある。

去年の夏、京王線沿線で友人と飲んで新宿経由で帰ろうとしたとき、遅い時間で電車が空いていたので席に座ったが最後、眠ってしまい、気が付いたら反対方向の終点、橋本駅で「終電です」とのアナウンスを聴くはめに。「オレ、いったい何往復したんだろ?」と思いながら仕方なく駅を出てバス乗り場のベンチで夜明かし。そのとき携帯ラジオをつけたらやっていたのが『オンテナ』。聴いたのはこの一回きりだったが、酔ってグッタリしていたせいもあって心地いいのなんのって。別に小池栄子に興味はなかったけれど、うかつにも癒されそうになった夏の夜でした。

それはさておき、宮川のインタヴューは、ラジオ・ファンなら思わず納得の、正鵠を射た分析が随所にちりばめられた充実の内容。こういう風に聴けたらラジオが数倍愉しくなること請け合い。宮川のこのインタヴューを読むためだけに『ラジオマニア 2007』(三才ブックス、2007年)を買っても損がないと言えるほど。

実録 BCLラジオをヤフオクで安く落札してみた!
実は最近BCLラジオに興味をもっている。70年代から80年代に大ブームになったAM/FM/SWが受信可能な、AMラジオの遠距離受信や短波の国際放送の受信に適した高性能ラジオ——という説明でいいのだろうか。ピンとこない方は、このページをご覧頂ければ感じはつかめると思う。私は、機能というよりもメカっぽい外観に心躍らせているだけのなだが。

この記事は、Yahoo!オークションで実際にBCLラジオを落札する流れをレポートしている。落札のさいのリスクなどについても丁寧に説明されていて、非常に勉強になる。

全国AMラジオ番組欄
全体の約3分の1を占めている全国のラジオ局のデータ。このテのコンテンツは、各局の概要(コールサイン、出力、etc.)に数本の番組紹介が普通だが、何とこの号は「全国AMラジオ番組欄」と銘打って、タイムテーブルが載っている。なかなか便利だが、掲載されているのはナイター・シーズンの番組表で、改編直前なので有効期限が短すぎるのが残念。

巻末には、「次号の予定などは未定ですが、1年に1度は必ず発行しますのでお楽しみに!」という力強いお言葉。『ラジオDEパンチ』(白夜書房)は年2回の発行を宣言していたが、2005年から今日まで2号しか発行されておらず、最新号の vol.2 からすでに1年半が経過している。二の舞いにならぬことを祈る。

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