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小林信彦「本音を申せば」第470回、『週刊文春』2007年8月30日号

○小林信彦「本音を申せば」第470回、『週刊文春』2007年8月30日号

今回の「本音を申せば」は「裕木奈江さんのこと」と題して、一本丸ごと裕木奈江の話題だった。通常、二つか三つの話題を取り上げていることが多いので、ひとつの話題で一本というのは、かなりの思い入れだ。

このブログでも話題にした2007年8月5日(日)の「伊集院光 日曜日の秘密基地」(TBSラジオ、13:00ー17:00)の「秘密基地」の「秘密基地VIPルーム」の話題を引き金に、小林自信の裕木奈江に関する話題が展開される。

 八月五日の日曜日、久しぶりに裕木奈江さんのナマの声をきいた。

 あまりの暑さにダレて、伊集院光のラジオの四時間番組(TBS)を聞いていた時である。裕木奈江さんがVIPルームに出演することは予告で知っていたが、銀座のアスファルトの上の測定が43度になるという日だから、ウトウトしていた。はっと気づいて、ラジカセの録音スイッチを押したとき、トークはもう始まっていた。(p.62)

前もって知っていて愉しみにしていたが、あまりの暑さに寝過ごして最初を聴き逃して後悔している様子に、私ならずともラジオを愛する民であれば、「あるある」と親近感をおぼえずにはいられない。しかも爺ちゃん、エア・チェックの準備までして待機していらっしゃる。大作家小林信彦もひと皮むけば私たちと同じ、ラジオの病の罹患者のひとりに過ぎないことが、本当に嬉しい。

実は、ラジオに関する話題はこの導入部分ともう一箇所だけ。コラム全体が女優裕木奈江の才能に対する小林の評価に割かれている。小林の小説を裕木主演で映画化する話が途中でボツになった話、小林が朝日新聞で連載した『極東セレナーデ』が後に裕木主演で「ウーマンドリーム」としてテレビ・ドラマ化された話などが展開される。このドラマ、タイトルから察するに「とりあえず東京でなんとか成功するまでは頑張るぞという役ばっかり多かったんだよね。ん〜、たぶん99%のシェアが私のところにきてたと思う」(「伊集院光 日曜日の秘密基地」2007年8月5日(日))と裕木自身が語ったもののうちのひとつだろうか。

また、例の「バッシング」についても概略が紹介されており、小林は裕木を弁護する。実は私は「ポケベルが鳴らなくて」(日本テレビ、1993年7月-9月)については辛うじて聞き及んでいるが、元来テレビ・ドラマを見ないので、裕木の女優としてのテレビにおける活躍をほとんど知らない。私にとって裕木奈江は、完全にラジオの人なのだ。小林によると、

 それでも、彼女がニッポン放送の「オールナイトニッポン」のDJになった時は、人気最高だったビートたけしの時よりも葉書が多い、と同局の人に教えられた。(p.63)

とのこと。本当だとしたら、これはスゴい。みんな「和也」のプロフィールとかをこぞって送ってたんだろうか。ただ、「裕木奈江のオールナイトニッポン」の放送期間はたったの一年間(1992年10月21日-1993年9月29日)だったと知って、「そんなに短かったっけ?」と驚く。太く短い放送だったということだろうか。

ラジオの話題はこれで終わりなのだが、

 彼女が「硫黄島からの手紙」で、二宮和也の妻の役を演じているのを見て、さすが、イーストウッドだ、と感心した。<戦時中の妻>を演じられる女優が、今の日本で、他にいるとは思えないからだ。(p.63)

と、女優裕木奈江への小林の手放しの褒め様は続く。水を差すようだが、裕木奈江に、かなりの年齢差がある二宮和也の妻を演じさせるなんて、東洋人がみんな同じに見える西洋人にしかできない荒業だと、私は別の意味で感心したのだが……。ちなみに、文面から察するに、小林はまだ『インランド・エンパイア』 Inland Empire (2006)は観ていない模様。ふふふ、この点に関しては、先手を取りましたよ、私は。

小林の今回のコラムを読んだ人には解ると思うが、2ページを費やしてもなお想いが字数制限に収まらないのか、小林がこの話題について書き足りていない感じがひしひしと伝わってくるような気がした。書き切ることでなく、書き足りないことで伝わる想いもあるのだなあ。

ナンというか、このお爺さんは、女優裕木奈江にチョっと「イタい」ぐらい惚れ込んでいたのだなぁ、としみじみ思う。

「本音を申せば」に関する過去のエントリー:
○小林信彦「本音を申せば」第467回、『週刊文春』2007年8月2日号、pp.64-65
○小林信彦「本音を申せば」第469回、『週刊文春』2007年8月16・23日夏の特大号

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