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大竹まこと ゴールデンラジオ(文化放送、2007年7月13日(金)13:00-15:30

○「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送、2007年7月13日(金)13:00-15:30)

実は、前まえから聴きたい番組があった。「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送、月〜金13:00-15:00)だ。

なぜ聴きたかったかというと、この番組が始まる以前に週一回土曜日に放送していた「大竹まこと 少年ラジオ」(文化放送、2004年10月2日-2007年3月31日、土 7:00-10:00)が好きだったからだ。決して歯切れのいいトークでもなく、鋭い分析があるわけでもなく、番組中の大竹まことのスタンスは、ごくごく凡庸だった。しかし、その凡庸さが大いに信用に足る強度を備えていた。ゲストとのトーク枠「明日にかけるハナシ」では、インタヴューの技巧を披瀝するでもなく、それでいて気がつくと自然と話しやすい雰囲気が醸成されていて、ゲストの話が不思議なぐらい次つぎに引き出されていた。

「吉田照美のやる気MANMAN!」(文化放送、1987年4月6日-2007年3月30日、月〜金12:57-16:00)終了後しばらくして「ゴールデンラジオ」が始まると聴いたときは複雑な気持ちだった。まず、私は、平日の昼ラジオは基本的に聴けない。次に、「少年ラジオ」の週一回のお楽しみ感がイイと思っていた。最後に、毎日やったら聴いている人に飽きられてすぐ終わってしまうんじゃないかと、要らぬ心配もしていた。

タイマーで録音しておいた2007年7月13日(金)付けの放送を聴取。時報に混乱させられたり、交通情報を真に受けてしまったり、昼のワイド番組を録音して後で聴くのは不思議な感覚だ。とはいえ、タイム・ラグに攪乱されるのは、それはそれで面白かった。金曜日のアシスタントは六車奈々

ゲストを迎えてトークする「大竹メインディッシュ」のコーナーは今回いちばんの聴きモノだった(実はポッドキャスティングでも一週間ぐらいは聴ける)。今回は落合恵子がゲストだった。

話題に上った複雑な税制に対して大竹は次のように噛み付く:

税金なんてね、僕、簡単なことだと思うんですよね。だって、働いてる人たちから国が巻き上げるお金でしょ。
「大竹まこと ゴールデンラジオ」文化放送、2007年7月13日(金)放送分

それを言っちゃぁおしまいとも思えるが、税金の本質を衝いた慧眼でもある。国民によりよいサーヴィスを提供するために……などという政府の甘言を真に受けている人たちは、目を醒ましたほうがいい。行政が税を徴収するのは組織の自己保存のためだ。国民に(地方税であれば市町村民に)利することが目的であれば、年度末の予算の使い切りは理を欠いている。結局、行政の各部署の予算の縮小を阻止するために他ならない。これが自己保存でなく何と言えようか。

それはさておき、圧巻だったのは介護・福祉に話題が及んだときの大竹の次の言葉だ:

たいした経験じゃないんですけどね、このあいだ、あのぉ、おばあちゃんが道路に出てて、タクシー止めようとしてんだけど、狭い道で轢かれそうなんですよ、もう、おばあちゃんだから。ちょうどそのとき雑誌買ってたから、「あぶない」って言ったの。「あぶない」って言ったら、「いやあの、駅まで行きたいんだけどタクシーが止まってくんない」って言うから、でも、道路、はみ出してるから、「いいよ」って、ちょうど通り道だから、ちょっと駅まで送ったんですよ。送ったときにね、そのときに、乗ったとたんに、60年前の——85歳のおばあちゃんです——60年前の戦争が終わったときの話をね、息せき切ってぶわ〜っと話し始めるのね。

60年前に、あのその、下落合のほうに聖母病院てのがあって、私はその裏手に住んでて、戦争が終わったのにB29がそこまで来てて、いろんなもの撒いていって、中開けるとチョコレートだったりね、いろんなものがはいってた、と。それがあたしんちにみんな落ちてってね……コレ、聴いてあげる人いないのか、と!
「大竹まこと ゴールデンラジオ」文化放送、2007年7月13日(金)放送分

こめかみの上の辺りがぎゅ〜っと締め付けられるような感覚の後に、ちょっとだけ目頭が熱くなってしまった。陳腐な言い方だが、なんて優しいんだ、なんて正しいんだ、と思わずにいられなかった。

やはり大竹の言葉は信用できる。ときどき話が抽象的になると上滑りしている感じも受けるが、大竹は自分の言葉をもっていて、自分の居場所から話している。社会を一刀両断することはないが、手製の使い慣れた小刀で、自分の近くから問題を腑分けしていく真摯さがある。

かと思えば、少し後の「大竹紳士交遊録」のコーナーでは盟友のきたろうとの「何の役にも立たない、からっぽな話」が延えんと続く愉しさ。このバランスがイイのかもしれない。「キミがゲストみたいじゃないか。ホストが落合さんだと思ったね、見事だね」「ゲストにしゃべらせないで」ときたろうにツッコまれていたのも微笑ましい。

エンディングにリスナーからいい話を募る「しみる話」というコーナーがあるのだが、「メインディッシュ」のおばあちゃんの話のほうが私にとっては一番のしみる話だった。

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コメント

はじめまして。

私はインターネットでしか聞けませんが、なかなか聞き応えのある番組だと思います。

またゆっくりとこの文章を読ませていただくと同時に、また改めてお邪魔します。

投稿: とくながたかのり | 2007年12月16日 (日) 21時03分

 本日、「ゴールデンラジオ」のブログをアップさせていただきました。よろしくお願いします。

投稿: とくながたかのり | 2008年1月28日 (月) 21時39分

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